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この教材の目的

・この教材は、健康に関心のある一般の成人が、健康情報の「読み解き方」を学習するために開発されました。 ・18問のクイズに順に答えてください。学習の最後に、クイズの採点結果が表示されます。 ・所要時間は10~20分程度です。 ・この教材が、身の回りの健康情報を読み解く際の助けとなることを願っています。

なっとくん一家のご紹介

なっとくん一家のご紹介

 なっとくんは、健康診断で、医師から「太り気味ですね。このままでは野球の成績も落ちるし、将来、高血圧や糖尿病などの病気になるかもしれません」と言われ、大ショック。

 さっそく、妻のヨシコさん、娘のエリ、母のハルコさんも一緒に、「健康にいい」ことを探すことにしました。

問題1健康情報の特徴 1問/全18問

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 なっとくんは、商店街で、商店街の会長さんと若手の八百屋さんに聞いてみました。

なっとくん
「健康にいいこと、何か知りませんか?」

会長さん
「1日3回、パンを食べるといいよ」

八百屋さん
「隣町のお寺で願掛けするといいというウワサを聞いたよ」

クイズ 1問/全18問

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 なっとくんは「色々な情報があるけれど、会長さんが言うのだから、願掛けより、パンを食べる方が効果があるに違いない」と考えました。

 この考えは……

答え 1問/全18問

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 私たちの身の回りには、いろいろな健康情報があります。しかし、たとえ目上の人(会長さん)の言うことだからといって、パンを食べることが「健康にいい」という科学的な根拠(エビデンス)にはなりません。

 また、八百屋さんが教えてくれたウワサも、それだけでは「健康にいい」という科学的な根拠とは言えません。

 あやしげな健康情報にまどわされないためにも、健康情報の読み解き方を学ぶ必要があります。

 ウワサの例として、「バナナ」や「ココア」など特定の食品だけを1日3回食べるダイエット法がありました。一時期は流行しましたが、そのうちすたれました。

 結局、それだけでダイエットできるという科学的な根拠(エビデンス)はなかったのです。

問題2インターネット情報の特徴 2問/全18問

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 自宅のリビングで、「何かダイエットにいい方法はないかなー」とつぶやいたなっとくん。

 すると、娘のエリがスマートフォンで検索を始め、いちばん上に出てきた情報を見せてくれました。

クイズ 2問/全18問

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 なっとくんは、「いちばん上に出てきた情報だからといって、正しいとは限らないんだよ」とエリに言いました。

 この考えは……

答え 2問/全18問

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 インターネット検索は、とても便利です。

 しかし、検索で上に出てきた情報が、必ず正しいとは限りません。

 また、インターネット上の情報には、なぜそうなのか、科学的な根拠(エビデンス)が示されていないこともしばしばあります。

 便利だからといって、うのみにするのは禁物です。

 インターネット上の情報は、なぜそう言えるのか、その科学的な根拠(エビデンス)を確認しましょう。

 少なくとも、「いつ」「だれが」「何の目的で」出した情報かを確認しましょう。

 ネット上の情報には、これらが書かれていないことも多いです。

問題3情報の科学的な根拠(エビデンス) 3問/全18問

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 ハルコさんは、「カレーが物忘れに効く!」という雑誌の記事を読みました。

 ネズミにカレーを食べさせたところ、ネズミの記憶する力が上がったという実験結果が出たそうです。

クイズ 3問/全18問

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 ハルコさんは、「ネズミの実験で効果があったのだから、科学的な根拠(エビデンス)は十分ね」と、さっそくカレーを食べに行こうとしました。

 この考えは……

答え 3問/全18問

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 動物(ネズミ)実験や試験管の中での研究結果は、参考にはなりますが、人間でも同じ結果が得られるとは限りません。

 私たち人間がその結果を使う場合には、動物よりも人間での研究結果が、科学的な根拠(エビデンス)としてより重要です。

 新しい薬の開発では、試験管の中での研究や動物実験などで見込みがありそうだと分かったら、必ず、人間を対象にした研究(臨床試験)を行います。

 人間を対象にした研究で、その薬に効果があることと、安全であることが確認されなければ、その薬が販売されることはありません。


新薬販売の流れ

問題4利益相反 4問/全18問

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 この記事によると、研究を行ったサフラン病院の名誉院長は、カレーのメーカーから、研究費として500万円を受け取っていました。

クイズ 4問/全18問

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 なっとくんは、「誰が研究費を出したかなんて、気にする必要はない」と考えました。

 この考えは…

答え 4問/全18問

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 サフラン病院の名誉院長は、知らず知らずのうちに、お金を出してくれたカレーメーカーに有利な結果を出そうとするかもしれません。

 もしそうであれば、研究の公正さが損なわれないとも限りません。

 研究にはお金が必要ですが、どこからお金をもらっているかの公表や、お金をもらったことによって研究が制約されないようにすることが大切です。

 お金をもらうことなどで、研究を正しく行うことに影響が出るのではないか、と見なされかねない場合、そこには「利益相反(りえきそうはん)」がある、と言います。

 研究の結果をみるときには、利益相反についても注意する必要があります。

問題5分子/分母 5問/全18問

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 なっとくんは、スポーツジムに通うことにしました。

 このジムでは、フラフープ運動で、お腹まわりがやせた人が10人いたそうです。

クイズ 5問/全18問

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 それを聞いたなっとくん、「10人もやせたのだから、フラフープ運動はお腹まわりをやせさせるのに効果がある!」と、考えました。

 この考えは……

答え 5問/全18問

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 フラフープ運動がお腹まわりのやせに効果があったかどうかは、お腹まわりがやせた人の「割合」を見ないとわかりません。
ダイエット成功割合
 効果の度合いを考えるときは、成功した人数(分子)とともに、総人数(分母)を意識することが重要です。

 テレビショッピングの番組では、よく「成功した体験談」が紹介され、あたかも効果があるような印象を与えます。

 しかし、その商品を使った総人数は、分かりません。

 もしかしたら、成功したのは、テレビに出てきた人だけかもしれません!
体操教室

問題6サンプルサイズ 6問/全18問

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 フラフープ運動は、まったく同じ方法で、2つのスポーツジムで試されていました。

 フラフープ運動でお腹まわりがやせた人は、ひとつのジムでは10人が試して2人(20%)、もう一つのジムでは100人が試して10人(10%)でした。

クイズ 6問/全18問

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 それを聞いたなっとくん、「お腹まわりがやせた人の割合が違っているな・・・。試した人数が多いほうが、結果はより確かだ!」と、考えました。

 この考えは……

答え 6問/全18問

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 フラフープ運動にかかわらず、偶然にダイエットに成功する人もいるはずです。

 試した人数が少ない場合は、偶然の影響を大きく受けてしまいます。逆に、試した人数が多いほど、その結果の確からしさが増します。

 コインを投げたとき、表がでるか、裏がでるかは、2分の1の確率です。

 しかし、実際にコインを2回投げて、1回は表、1回は裏がでるとは限りません。偶然、2回とも表がでたり、裏がでることもあります。

 投げる回数を増やすと、偶然の影響が小さくなり、おおむね、投げた合計回数の半分は表、半分は裏がでるでしょう。

 何かを調べるときには、回数や人数を増やすと、より確かな結果に近づきます。

問題7原因と結果 7問/全18問

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 買物に出かけたヨシコさんは、エレベーターの前で、テレビで見た情報を思い出しました。

 「”いつもエレベーターに乗る人と、いつも階段を使う人とでは、階段を使う人のほうが足腰が丈夫”と言ってたわ」


クイズ 7問/全18問

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 ヨシコさんは、「エレベーターに乗るから足腰が弱るのよね!」と考えました。

 この考えは……

答え 7問/全18問

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 この情報だけでは、「エレベーターに乗るから足腰が弱る」とは言い切れません。

 もともと足が悪い人が、エレベーターに乗っているのかもしれません。

 健康情報では、どちらが「原因」で、どちらが「結果」か、分かりにくいことがしばしばあります。

 「原因」と「結果」が逆である可能性はないか、一度、立ち止まって考えることが大切です。
エレベーターの原因と結果

問題8比較 8問/全18問

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 エリは、健康食品店で、新発売のダイエットサプリ “ヤセルンルン”を見つけました。

 正月太りのモニター50人に、ヤセルンルンを6カ月間飲んでもらったところ、夏の終わりには、40人で体重が減ったそうです。

クイズ 8問/全18問

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 エリは、ヤセルンルンを飲んだ後に体重が減った人の割合を計算しました。 50人中40人の体重が減ったので、割合は80%です。

 「ヤセルンルンを飲むと、80%の人がやせられる!」と考えました。

 この考えは……

答え 8問/全18問

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 この情報だけでは、“ヤセルンルン”が体重を減らしたのかは、分かりません。夏の終わりの体重は、ヤセルンルンを飲まなくても、夏の暑さで食欲が落ち、減ったのかもしれません。

 ヤセルンルンが体重を減らしたかどうかは、飲んだ場合と飲まなかった場合を比べなければ、分かりません。
ヤセルンルン比較

 (“ヤセルンルン”を)「飲んだ」→「やせた」→「効いた」と考えるのは、「~た」が3つ続くので「3た論法」と呼ばれています。

 本当は、比較しないと分からないにもかかわらず、あたかも真実のように聞こえてしまう「3た論法」に、まどわされないよう注意しましょう。
 3た論法

問題92×2表 9問/全18問

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 エリは、健康食品店の店員に、「正月太りの人が“ヤセルンルン”を飲まなかった場合、夏の終わりに体重はどうなったか調べていますか?」とたずねました。

 すると店員は「もちろん、調べていますよ!」と答えました。

クイズ 9問/全18問

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 ヤセルンルンを飲んだ50人中、やせたのは40人、 飲まなかった50人中、やせたのは38人でした。

 エリは、「表のBに入るのは“10人” ね!」と考えました。 この考えは……

答え 9問/全18問

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 人数を表にすると、下のように整理できます。

 ヤセルンルンを飲んだ50人(赤)中、やせたのは40人なので、残りの10人はやせなかったと考えられます。

 同様に、飲まなかった50人(青)中、やせたのは38人、やせなかったのは12人です。

 このような表のことを、2×2表といいます。
 2×2表を書くと、飲んだ人と飲まなかった人との比較がしやすくなります。

 やせた人の割合は、
 ヤセルンルンを飲んだ人:40÷(40+10)=80%
 飲まなかった人:38÷(38+12)=76% です。

問題10選択バイアス 10問/全18問

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 なっとくんの住む県内のA町とB町で、各100人を募集し、体操教室を開きました。

 1年後、A町の体操教室参加者100人にアンケート(回答割合50%)をしたところ、90%が満足と答えました。

クイズ 10問/全18問

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 なっとくんは、「A町の体操教室に参加すると、90%の人が満足できる! 」と考えました。

 この考えは……

答え 10問/全18問

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 このアンケートの回答割合は50%でした。つまり100人のうち50人しか回答していません。

 残りの回答しなかった50人は、教室に不満で途中で来なくなったため、アンケートにも回答しなかったのかもしれません。

 そのため、A町の体操教室に参加すると、90%の人が満足するかどうかは分かりません。

 アンケート回答

 アンケートに回答した人の割合が少ないと、その結果は、A町の参加者全体を正しく代表していないことになります。

 調査の結果を見るときには、回答割合を確認しましょう(書かれていないことも多いです)。

 また、回答割合が書いてあったとしても、その割合が低すぎないか、そして、回答した人にどんな特徴があるかにも注意しましょう。

問題11測定バイアス 11問/全18問

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 B町ではアンケートではなく、B町の体操教室の先生が100人全員に聞き取り調査を行いました。

 その結果、90%の人が満足したと答えました。

クイズ 11問/全18問

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 なっとくんは、「100人全員を調べたのだから、B町の体操教室に参加すると、90%の人が満足できる!」と考えました。

 この考えは……

答え 11問/全18問

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 この調査は、体操教室の先生が聞き取っていました。答える人は先生に気を遣って、本当は満足していなくても「満足した」と答えたかもしれません。

 また、先生も、結果を良くしたいと思い、「満足した」と答えやすくなるような聞き方をしていたかもしれません。

 そのため、B町の体操教室に参加すると、90%の人が満足するかどうかは分かりません。

本当の満足度 ?= 聞き取り調査での満足度

 質問のしかたによって、回答者の考えが正しく伝わらなかったり、答えが誘導されたりすることがあります。

 世論調査や、商品のモニター調査などで、誘導質問が行われることがあります。

 たとえば、「健康維持には眠りの質が重要だといわれています。あなたは“○×安眠まくら”を使ってみたいですか?」といった質問です。思わず「はい」と答えてしまいませんか?

問題12第三の因子 12問/全18問

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 C町とD町の、高血圧と診断されている住民の割合が発表されました。

 その割合は、C町がD町を上回っていました。

 住民の平均年齢は、C町65歳、D町50歳です。

クイズ 12問/全18問

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 なっとくんは「そういえば、C町では赤いパンツがはやっているらしい。赤いパンツをはくと興奮して血圧が上がるんだ!」と考えました。

 この考えは……

答え 12問/全18問

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 住民の平均年齢は、C町65歳、D町50歳でした。

 一般に、年齢が高くなるほど、高血圧になりやすいことがわかっています。

 C町で高血圧と診断されている住民が多かったのは、赤いパンツのためではなく、C町の住民の平均年齢が高かったからかもしれません。

 そのため、赤いパンツをはくと高血圧になりやすいかどうかは分かりません。

 一見、原因(赤いパンツ)と結果(高血圧)に関係があるようでも、実はその影に「第三の因子」(年齢)が隠れている場合があります。

 年齢や性別は「第三の因子」になることが多く、気にかけておくとよいでしょう。

第三の因子

問題13ランダム化比較試験 13問/全18問

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 ある会社の調査で、スマートフォン(スマホ)を持っている人は、持っていない人に比べて、腕の筋力が高かったそうです。

 なっとくんは、「きっとスマホを持っていない人の方が高齢だからだろう。もうだまされないぞ」と思いました。

クイズ 13問/全18問

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 なっとくんは、「スマホを持っている人と持っていない人で、年齢さえそろえれば、公平な比較になるはずだ!」とひらめきました。

この考えは……

答え 13問/全18問

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 2つのグループを比較する場合、年齢だけでなく、性別や体の状態など、他の条件も、できる限りそろえる必要があります。

 最もよい分け方は、くじ引きなど、まったくの偶然に基づいて分ける方法です。

 対象となる人たちを、くじ引きで2つのグループに分けた上で、一方はスマホを持つ、他方はスマホを持たないことにして一定期間を過ごし、腕の筋力を比較するような研究のことを、ランダム化比較試験(RCT)といいます。
図 ランダム化比較試験
 RCTは、治療や予防が有効かを確かめる場合、科学的な根拠(エビデンス)のレベルが高いとされています。

問題14比と差 14問/全18問

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 健康食品店で、新製品“ヤセウォーター2”が売られていました。

 通りかかったエリに、店員さんは、「“ヤセウォーター2”は、前の製品に比べて効果が3倍にアップ!ぜひお買い求めください!」と売り込んできました。

クイズ 14問/全18問

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 エリは、「3倍と言うけど、前の製品の効果はどのくらいだったの?」と考えました。
この考えは……

答え 14問/全18問

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 比べる相手となる前の製品の効果の大きさ次第で、「3倍」の大きさは異なります。

 下のグラフでは、AもBも、同じ3倍ですが、その差は40%、4%と異なります。
3倍差のグラフ

 一般に、「X倍」と比で表す(相対的)ほうが、「Y%分」と差で表す(絶対的)より、効果が大きい印象を与えます。

 「X倍」という表現には注意しましょう。

問題15フレーミング効果 15問/全18問

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 洋菓子店に2種類のケーキがありました。
 ケーキの味を「おいしい」か「おいしくないか」のどちらかで尋ねると、

 フトランジェは「10人中7人がおいしいと言った」

 スリムンは「10人中3人がおいしくないと言った」

 という評判です。 

クイズ 15問/全18問

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 ヨシコさんは、「スリムンは『おいしくない』が3人なら、残りの7人は『おいしい』。ということは、スリムンもフトランジェも同じよね」と考えました。

 この考えは……

答え 15問/全18問

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 「おいしい」人に着目したフトランジェと、「おいしくない」人に着目したスリムンとでは、一見、違って見えます。

 しかし、「おいしい」割合は、

 フトランジェ:10人中7人(70%)

 スリムン:10人中3人が「おいしくない」
 →残りの7人は「おいしい」(70%)

 で同じです!

 提示のされ方によって受ける印象が異なることを、「フレーミング効果」と呼びます。

 フレーミングのフレームとは「枠」。枠でどこを切り取るかによって、違って見えるという意味です。

 「枠」によってまどわされないように、注意しましょう。

問題16真のゴール 16問/全18問

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 なっとくんは、健康のためにダイエットを始めました。

 1カ月後、体重が2キロ減りました。

クイズ 16問/全18問

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 なっとくんは、「ダイエットは大成功! これで野球の成績も心配なし! 将来、病気にもならないぞ!」と大喜びしています。

 この考えは……

答え 16問/全18問

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 なっとくんがかなえたいことは、「野球の成績アップ」や「病気にならない」ことです。これを達成できるかが重要です。

 一方、「体重が減る」は、測定はしやすくても、それ自体がかなえたいこととはいえません。
かなえたいこと

 抗がん剤の効果は、以前は「がんが小さくなったか」で判断していました。しかし現在は、「患者が長生きできるか」や「患者の生活の質(QOL)が保たれるか」をより重視しています。がんが小さくなっても、長生きができなければ、治療の「効果」としては道半ばです。

図 がんピラミッド

問題17メリットとデメリット 17問/全18問

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 ハルコさんは、記憶力アップによいといわれている健康食品を飲んでいます。

 ある日、その健康食品に関する新聞記事を読んで驚きました。

 飲んだ後に激しい下痢を起こして入院した人が1人出たというのです。

クイズ 17問/全18問

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 ハルコさん自身は下痢はしていませんが、「二度と飲むのはやめよう」と考えました。

 この考えは……

答え 17問/全18問

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 どんな薬や健康食品にも、メリット(利益)とデメリット(不利益)の両方があります。

 メリットとデメリットを天びんにかけて、冷静に考えることが大事です。

 メリットとデメリットを書き出して比較するのがおすすめです。

(健康食品の例)
メリット :自分も宣伝通り記憶力がアップするかもしれない。
      食事のときに飲むだけなので簡単
      友達も飲んでいるから共通の話題ができた

デメリット:自分も下痢で入院するかもしれない
      月々5000円の出費は家計に苦しい
      実際に「記憶が良くなった」実感はない
 

問題18情報の限界・情報から行動へ 18問/全18問

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 なっとくん一家は、健康によいことについて、たくさんの情報を調べました。

クイズ 18問/全18問

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 なっとくんは、「これだけ調べれば十分だ。これで健康になれる!」と確信しました。

 この考えは……

答え 18問/全18問

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 情報に「十分」はありません。医学の進歩により、昨日まで正しかった情報が、今日は正しくないということも起こり得ます。

 さらに、情報の読み解き方や科学的な根拠(エビデンス)を知った先に、自分がどのように行動するかを判断し、さらには実際に行動するというプロセスがあります。

もっと知りたい!

行動を決めるときは、次の3要素を考え合わせることが望まれます。

・科学的な根拠(エビデンス)
・自分の身体の状態
・自分の価値観や希望

ここは、あなたの腕の見せ所です!

健康情報を上手に使いこなし、できるだけ「なっとく」のいく意思決定ができますよう、お祈りしています。

エビデンスに基づくあなたの意思決定
 

 

結果発表

結果発表

学習のまとめ

問題正否教訓問題
ページへ
問題1健康情報にはいろいろなものがある問題へ
問題2インターネット情報をうのみにしない問題へ
問題3動物実験より人間での研究を重視問題へ
問題4研究費の出所にも注意しよう問題へ
問題5分母に意識!「割合」を考えよう問題へ
問題6人数が多い方が、確からしさが増す問題へ
問題7「原因」と「結果」が逆の可能性がないか、考えよう問題へ
問題8効果は比較しなければ分からない問題へ
問題92×2表で考えると比較しやすい問題へ
問題10答えたい人だけ答えている調査は要注意問題へ
問題11測り方(質問のされかた)に注意しよう問題へ
問題12原因と結果以外の「第三の因子」をチェック問題へ
問題13科学的な根拠(エビデンス)のレベルが高いランダム化比較試験問題へ
問題14比は差よりも大げさに見えやすい問題へ
問題15提示のされ方によって違って見える問題へ
問題16本当にかなえたいことは何か、意識しよう問題へ
問題17メリットとデメリットを並べて比較問題へ
問題18科学的な根拠(エビデンス)、状態、価値観を考え合わせよう問題へ

これで全て終了です。研究へのご協力をいただき、誠にありがとうございました。

なっとく!
 

参考文献

1) がん情報サービスHP 図2無作為化比較対照試験
   (Randomized Controlled Trial : RCT)の仕組み 参照
   http://ganjoho.jp/public/pre_scr/screening/about_scr.html
2) 病気の数字のウソを見抜く 日経BP社 p87 参照
3) Haynes.RB et al. BMJ 2002;324:1350のEBMの新モデルを改変